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ほげろぐ。

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沢田研二『今度は、華麗な宴にどうぞ。』1977

今度は、華麗な宴にどうぞ。

「勝手にしやがれ」の後にリリースした「憎みきれないろくでなし」は60万枚超、前作からのシングルカット「サムライ」は50万枚超、続く「ダーリング」も約45万弱でオリコン1位を獲得。阿久悠×大野克夫さんによるシングルを連発し、出す曲出す曲すべてヒット、そのビジュアル・パフォーマンスも常に注目されて、当時絶頂の歌謡界の第一線を華麗に突き進んでいきます。
本作は前作に引き続き、全曲作詞・阿久悠、作曲・大野克夫、編曲・船山基紀。この布陣は次作まで続き"阿久悠三部作"という印象ですが、この三部作の中では、ファンキーな「ハッピーレディー」等比較的明るめの曲が多く聴きやすい方。ただそれでも軽く聴けるアルバムではなく、A面ラスト・B面ラストは重い。とくに後者「スピリット」は10分近い大曲、気合の入った複雑な設定の歌詞で、ジュリーも当然歌いこなしてはいますが、聴き疲れは否めません。その他も「プレイバック part 2」の返歌的(?)な「酔いどれ関係」なんかギミックのある曲もありますが、阿木さんの描いた女性像とズレていていまいち成功していない気がします。

おすすめ度   ★★☆
※ 2014年にリマスター再発されています。
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南沙織『純潔 / ともだち』1972

純潔/ともだち

歌手デビュー1周年記念としてリリースした「純潔」をフィーチャーしたアルバム。このシングルは"週刊誌のバッシングへの回答"の意味もある挑戦的なロック歌謡、南の国から来た少女だった1年目から詞の世界も変わり、実年齢に応じた"私小説"路線をこのあたりから展開していきました。素の表情を映し出すような篠山紀信さんの写真をジャケに使ったのもこの頃からです。
本作は通算三枚目、セカンドは完全に手抜き作でしたがこのアルバムはファーストとほぼ同じ構成でA面は表題シングル「ともだち」「純潔」のAB面4曲+アルバム用新曲2曲(すべて有馬×筒美作品)、B面は洋楽カバーというもの。デビュー二年目でアイドルとしてノリに乗った時期なだけあり、アルバムA面はすべて名曲。パンチの効いたロック歌謡シングル「純潔」の鮮烈さは見事ですが、それ以外も、台詞入りメロウ・ナンバー「素晴らしいひと」や哀愁の名曲「九月になれば」等鮮度高い曲ばかり。B面は割と直近のアメリカン・ヒットのカバーですが「気になる女の子」「オールド・ファッションド・ラブ・ソング」「アイル・ビー・ゼア」等6曲ともすべて原詩で歌い、前作と違って歌唱も上々です。このあたりの洋楽に倣ったようなA面のオリジナル「女の子の気持ち」も良い感じ。

おすすめ度   ★★★
※ 2013年、Blu-spec CD2化されています。

小坂恭子『恭子』1975

恭子

75年5月にリリースした三枚目のシングル「想い出まくら」がオリコン発表85万枚、レコード会社発表で130万枚の特大ヒット。歌番組にはほとんど露出せず75年の年間チャート三位にまで上り詰め、小坂さんの代表曲になりました。
本作は名曲「想い出まくら」収録のセカンドアルバム。当時この「想い出まくら」はおそらく(?)フォーク系ニューミュージック扱いだったと思いますが単純に楽曲として見るとちょっと蓮っ葉な女性を歌った歌詞やメロディー等、歌謡曲と言った方がしっくりくるかも。本作もこの曲の編曲を担当した福井峻さんが手掛けたナンバーは歌謡的、ただそれ以外は意外に攻めていて、特にロック好きの人にはCharさんが編曲参加した曲、スワンプな「別れて今」(この曲はCharさんがボーカルでも参加)やサイケ・ロックな「砂人形」あたりは要注目。また萩田光雄編曲作品はソウル的味付けをしており、「ひとつの朝」なんて珠玉のメロウ・ソウルでおすすめ。折り目正しく歌うイメージですが歌唱の引き出しも多く、「恋の足跡」の今にもプツンと切れそうな情念系ボーカルにはビックリします。

おすすめ度   ★★☆
※ 1995年にCD化されています。

石川ひとみ『Inside/Outside』1980

Inside/Outside

なかなか売れそうで売れない状況が続いていた石川ひとみさんですが、シングル「秋が燃える」の頃に、甲斐バンドから脱退しキャニオンのディレクターに転身したばかりの長岡和弘さんが担当になります。結果的にこの後、長岡ディレクターのもと「まちぶせ」が大ヒットするのでこのディレクターチェンジが一つの転機、作品はまだ前任の大輪ディレクターの方向性が抜けていない頃です。
まずアルバムジャケットが黒の洋服に鋭い視線でアダルトな雰囲気ですが、今までになかった試みとして、LPにミュージシャン・クレジットを掲載し、豪華ミュージシャン参加によりサウンド志向を打ち出しています。冒頭の「思いがけない序章」は今までになかった洗練されたシティ・ポップでとても新鮮ですが、その後に続く楽曲は演奏はシャープでありながら、シティポップというよりマイナー調の歌謡ロック中心という感じ。本作は恐らくファン人気No.1作品ですが、初期イメージを損なわないのが理由かも(?)。初期路線を踏襲しつつうまく大人化した感じでうまい作りです。エンディングのミディアム・バラード「海のようなやさしさで…」は特におすすめ。

おすすめ度   ★★★☆
※ 2004年発売のオリアルBOXの中でCD化されています。

イルカ『夢の人』1975

夢の人

イルカさんの代表曲「なごり雪」と同時発売でリリースされたセカンド。元々この曲は前年にかぐや姫がアルバム曲として発表したナンバーでしたが、イルカさんの中性的魅力とうまくマッチし50万枚超の大ヒット、自身最高売上となりました。
本作にも「なごり雪」は収録されていますが、シングルとはバージョン違い。前作同様に全曲のアレンジを石川鷹彦さんが手掛けているので「なごり雪」も石川鷹彦アレンジver、クライマックスに向けてどんどん盛り上がりを見せてくる松任谷正隆アレンジのシングルverと比べて淡々とした仕上がりです。アルバム全体としては、超シンプルなサウンドだった前作と比べると、カントリータッチのアレンジのものがあったりロック色のあるものがあったりサウンドの幅も広がり、あくまで内省的だった前作とは異なり「初恋」「星の長距離電話」といったキュートな恋愛ソングも入ってより開放的に。その他シュリークス時代の代表曲だった拓郎作品「クジラのスーさん空をゆく」の収録にも注目。出世作という趣きですが、「背中」は1stの暗さを残していてちょっと浮いているかも。

おすすめ度   ★★★
※ 2013年にリマスター再発されています。